2008/05/07

Youtubeの収益:ウェブサービスの公共性とサイト運営者の責務

今日の池田信夫氏の講義であったように、ウェブサービスの社会的影響という側面からみれば、各人の満足(welfare)をサイトがもたらす社会的便益として考慮すれば、必ずしもその経済的な収益性は重要視されないという意見があった。

しかし、サイトが大規模化し、それがもたらす社会的な影響が大きくなった場合は、安定的な運営をしなくてはならず、収益性を無視することはできない。
やはり、経済的収益は必要だ。運営者は別に慈善事業としてサイトを運営していない。(稀にそのような例も見られるが、大規模化してくると無収益の活動は難しくなる。)



Youtubeもその例外ではない。

「YouTubeはまだ大きな収益を上げるに至っていない」--グーグルCEOが発言:マーケティング - CNET Japan

そ もそも、サイト発足当時は人々の社会的厚生、つまり、経済的便益ではないものを追求するうちに開発され、ローンチされているかもしれない。事実、数年前ま ではホームパーティーの映像をある一定人数で共有することは難しかった。真のニーズから生まれたサービスは徹底したユーザー視点からインターフェースなど が設計され、短期間でユーザーからのアクセスを集めるようになったのは周知の事実だ。3人の米国人から始められたサイトは確たるビジネスモデルを構築でき ずにGoogleに買収された。ビックポケットを得たYoutubeは買収によって安定収入を得ることができたといえる。

しかし、サイトが大規模化してくるとコンセプト以外の重要な視点が生じてくる。それはサイトの持続的運営という課題である。これらの課題に対処する為に経済的収入を安定させ、運営自体を安定させなくてはいけない。実際の手法としては、

  • 株式上場
  • M&A
  • ベンチャーキャピタルからの出資
などが挙げられるだろうが、全てお金絡みの解決方法である。安定的な運営には会社という法人体制が必ず必要となるだろうし、無限責任を負えるほどウェブサービスの社会的重要性は小さくない。

例えば、それまでアップロードした動画が今日削除されるとしたらどうだろうか?
不安的な運営を続けていれば、増え続けるサーバー・ネットワークコストに耐えかねて、今日からサービス中断もあり得ない話ではない。それまで記録したデータ全ては瞬時に削除されることになる。

こ うした問題は動画というデジタル情報がブロードバンドが普及したことによってたくさん流通するネットワーク帯域余地が出来た為に生まれた。そして、それま でのサーバークライアント型の一極集中的な情報共有モデルが動画データというそれまでとは比較できないほどデータ量が大きくなったことによって、限界に達 していることを意味する。これから動画ファイルの高画質化などで、1ファイル当たりのデータ量はますます大きくなるだろうから、流通という部分において一 つ進歩が必要になるだろう。