2008/05/18

インターネット帯域は本当に十分であるのか?

「ネットワーク帯域は高価で希少」は幻想--ステューピッドネットワーク提唱者が苦言:ニュース - CNET Japan

Devid Isenberg曰く、

 「ネットワークの帯域が限られているという前提が、そもそも間違っている。現在ある技術を使えば、帯域が足りないということはない」


しかし、彼の指摘が本当であるかはもう少し考えてみる必要性があるような気がする。


なぜなら、現在のネットワーク技術の大部分はやはりまだまだ過渡期であるからである。現在でもADSLと光ファイバーが併存し、一部ではISDNを使っている人もいるかもしれない。(本当にいたらどのような利用をしているのかを知りたいが)このような場合、やはり新技術を旧技術の代わりに置き換えることには投資が必要になってくるだろう。

問題はその費用を誰が負担し、ビジネス上の問題としてどう解決していくかということである。つまり、ここにはインターネットが社会インフラとしての公共財的な特性を持っているということ。つまり、誰もが使える共有財産としてインターネットは機能するが、その整備費用が誰かが負担しなければならないという問題である。Isenbergはそれに対する答えとしてネットワーク運営会社の国営化を示唆している。しかし、分散協調的な発展を遂げてきたインターネットインフラを今更国主導で運営し、発展させていくことは難しいのではないだろうか?ITUやWSISのようなインターネット・コミュニティーの中に国家が介入した結果、そのコミュニティに混乱が生じた事態を考えれば、それは明白な点であろう。

参照:FCC、ComcastをBitTorrentのブロックで厳しく追求--ネット中立性に関連して:ニュース - CNET Japan

インターネット上を流れるデータやネットワークに繋がるデバイスをネットーワーク自体が差別することは非常に忌避する部分である。それは「ネットワーク中立性」の議論の中で数多く主張されてきた意見である。それは人々の自由な活動から生じる技術や文化の多様性と可能性を阻害してしまう可能性があるからだし、これから将来に向けてインターネットの自由な利用は注視していくべき課題の一つであると考える。

私が一つ言いたいことはインターネットの特性上、ネットワーク自体は「バカ」であってもその上に何を載せるかという点で付加価値の創造が数多くできるという点だ。現在のネットワーク運営会社が向かうべき道は二つあるだろう。
  1. 「バカ」なネットワークだけを運用保守していくだけのインフラ会社になるか?
  2. ネットワーク運営保守を事業継続しつつ、そこに付加価値をつけていくソリューション企業になるか?

そして、ネットワーク運営会社とコンテンツプロバイダーは良好な関係を続けていく為に常に開放的なネットワーク運営をしていくべきだろうと考えている。

参考:
Devid IsenbergのThe Rise of the Stupid NetworkWEB2.0の未来 ザ・シェアリングエコノミー | インプレス R&Dの中の記事で日本語訳が読めるようになっています。(以下はそのPDFのリンクです。)

「インテリジェントネットワーク」より「ステューピッドネットワーク」こそが第二のGoogleをつくる(PDF)



Update:
5月13日David Isenberg氏の講演についてはたくさんのブログで紹介されていたので、リンクを追加しておきます。