2008/05/07

080501池田信夫の授業「映像ビジネスと著作権」

今日は池田信夫(池田信夫 blog)がSFCの授業でしゃべる機会があったので、簡単に話の内容をまとめてみた。(授業の内容をこういう形で公開するのは初めてなので少し新鮮。音声データでもとっておけば良かった)

総論的な意見は、日本の著作権、コンテンツビジネスは従来の産業政策や法的規制によって自由な実験ができない。だから、新しい事業も生まれてこないから、ダメ。
さ らに、放送業界や通信業界の流れを決めているのはNHKやNTT。舵取りを一つ誤ると国全体に影響を及ぼし、世界からみると10年遅れるといった負のサイ クルに突入してしまうと指摘していたことは印象的だった。社会的な意思決定プロセスにおいて大変リスクが高い方法でこの国の流れを決定していることは、国 全体の不利益となっていることは間違いない。


あと、インターネットがブロードバンド化して、大規模なファイル転送が必要となった時、やはりサーバー負荷分散技術が大事になってくることは間違いないとの主張には激しく同意。
し かし、その方法が必ずしもP2Pである必要ではない。様々な既存技術で対応できる方法が多数あるが、それらがなぜ利用されないのかを政治的・ビジネス的観 点から分析し、迂回路を作るべきなのかもしれない。これまでの情報技術の発展は迂回路の開拓という点で共通しているのであるから。。。

ーー以下、パワポ(要旨)
■放送業界の現状
・NHKが放送業界の流れを決めている
NHKの間違った意思決定が日本の放送業界全体の誤った流れを作り出してしまう。
⇒デジタル放送も同じこと。デジタル放送は暴挙であるだろう。

動画共有サイトでは、ドル換算で儲かる必要性は必ずしもない。
⇒GDPは売買金額の指標。Welfareを増大させる必要性があるだろう。■疑問;でも持続的な運営には一つあるんじゃないか?

■テレビの次に何がくるのか
在来メディアの延慶;みんな失敗
ハイビジョン・デジタル放送⇒×
マルチメディア・放送と通信の融合→×
YouTube→○?
IPベースが必要条件
失敗は予測できるが成功は予測できない
国が大企業がやったら失敗することが多い
いろんな実験をやってみるしかない

※日本では65%は必要性じゃないものを生産している。cf. 高度成長期ではほぼ全てが生活必需品だった。→付加価値の創造が大事になってくる。

■新ビジネス創造の条件
実験の自由度を高めること
政府の「産業政策」は有害無益
制度的な障壁を減らす
経済的な障壁
ファイナンス:株式ベースの資金調達が困難
人材:労働市場が硬直的
法的な障壁
通信・放送の規制が多い
著作権法が権利者偏重

■ネット配信と著作権
Napster(1999)
RIAAが訴訟→サービス停止(2001)
DMCA:OSP「セーフハーバー」P2Pは除外
検索情報を提供しているだけのサーバーが違法となった。

P2P;日本では刑事罰(Winny etc)
キャッシュ配信:効率的
海外ではBitTorrent・Joostで映像配信
→CouseWare
YouTube
訴訟:ユニバーサル・ヴァイアコム
提携:Verizon、CBS

cf. MSのDarknet論文; 「P2Pファイル交換による違法コンテンツの撲滅は不可能」〜Microsoftの研究者が論文発表

■ファイル共有の費用と便益
費用:音楽家とレコード会社の機会損失(C)
便益:宣伝効果(B)+消費者の効用(U)
実証研究の結果:C
Oberholzer-Gee and Strumpf(2007)
したがってC<FASTWEB:世界最先端のサービス
RAI
放送:同時録画してウェブ配信
cf. オールIPトリプルプレイの草分け イタリアFASTWEBの最新事情

SIAE:映像・音楽等を包括するギルド
ワンストップで許諾
黒字出るまで料金とらない
海外のコンテンツなどは。。。?

■長期的な解
著作権法:権利処理のテンプレート
契約コスト:
Boldrin&Levine; Against Intellectual Monopoly