2007/03/15

ヴァーチャル・ラーニングー10つのオープン・エデュケーション・リソース

※CCJPで翻訳作業中。一応自分のブログにもアップロードしてみる。

ヴァーチャル・ラーニングー10つのオープン・エデュケーション・リソース

コモンズに関係する分野の中で最も目覚ましい発展を遂げているのは、オープン・エデュケーションの分野である。知識へのアクセスが不平等に配分された世界の中で、自由な知識のレポジトリーとオープン・エデュケーションの素材はその不平等を是正する潜在力をたぶんに秘めている。

「オープン・エデュケーション・リソース」という言葉が初めて造り出されたのは、2002年の発展途上国における高等教育向けオープン・コースウェアの影響力を議論したUNESCOフォーラムだった。オープン・コースウェアの中には、様々なタイプの資源が含まれている。教育素材(講座や授業プラン、学習素材など)やツール(コンテンツの向上や管理、再利用をサポートするソフトウェア)、実施の為の素材(オープン・ライセンシングと最善な実施原理を促進する知的財産権のライセンスなど)がある。

こう言うと、単純に聞こえるだろうか?10つすぐれた事例を見つけるのは簡単だ。しかし、状況はそれより少し複雑だ。オンライン上で利用できるオープン・エデュケーション素材は量も質も異なっている。あるものは実際に授業を共有している教師の小さいコミュニティである一方で、講義ノートからビデオ素材まで大学のコースウェアや講義を多数保有するものもある。教育者が素材を共有し、その素材を使う事が出来るWikiは数多く存在し、コンテンツや他のサイトにあるコンテンツへのリンクを提供している。あるものは、ライセンスにクリエイティブ・コモンズ(以下、CC)を使い、あるものはCCを使用していない。いくつかのサイトは、素材を購読するのにお金を払う場合に、自らをオープンと呼ぶ。あるサイトは簡単に検索できるようにしているが、様々な素材の寄せ集めである場合もある。インターネット上のオープン・エデュケーション素材のほとんどがアメリカで作られている。(事実、私たちもこの事実がコモンズの大変未熟で成長途上の分野であると感じている。)この事実は、発展途上国における主要な社会経済的問題を解決するオープン・エデュケーションの潜在力とは対照的に見えるかもしれない。

しかし、このリストみれば、オープン・エデュケーション・リソース(以下、OER)へのアクセスを容易にする知識やスキル(もちろん情熱も)を持っている人々が不足しているわけではない事が分かるだろう。恐らく、2007年はそうした情熱とひらめきが世界中で利用されるような実際の授業計画やテキストに結実する年になるだろう。

教師の為のOER

OpenLearn
OpenLearn は英国のオープン・ユニバーシティーから提供された教育素材を教師や学習者へ自由にアクセス可能にしている空間だ。1969年に設立したオープン・ユニバーシティーは、世界中で最も良く知られたオープン・ラーニング機関の1つだ。オープンラーンでは、数学や、健康、学習、IT、科学、人文科学分野にわたる大学レベルのオープン・コースウェアがダウンロード可能だ。OpenLearnのパートナーサイト、LabSpaceはLabSpaceにて作成された教材の再利用やリミックス、改変をユーザーに許可している。また、全てのコンテンツがCCの表示−非営利−継承 2.0ライセンスにてライセンスされている。

South African History Online
South African History Online(以下、SAHO)*は無所属の人々の歴史に関するプロジェクトだ。ローカルな知識と資源の巨大な保管庫として、サイトは南アフリカ系社会を形作る事を支援する人々による授業計画やカリキュラム、論文集、演説、学術雑誌、インタビューなどを含んでいる。オリジナル作品の著作権は写真家や書き手に付与されている。また、SAHOはCCを使っていない。その為、サイト内のコンテンツは公的に設立した組織や学生や新聞など、SAHOの関係先以外は無許可に使う事はできない。

*1999年に非営利団体として南アフリカ人の歴史を研究し広めていくことを目的として設立。これまで黒人南アフリカ人の歴史や文化的資産は南アフリカ系の教育および文化資産に関する団体が代表権を持っており、そうした偏った方法を是正していく事も目的の1つである。

Free High School Science Texts(以下、FHSST)
ケープタウン大学にあるプロジェクトは、世界中に存在する利用可能な科学に関するテキストへの自由かつオープンなアクセスを構築する事を目的にしている。協力的な努力とプロジェクトは多数のボランティアにより成り立っており、彼らは執筆や編集、書籍の審査といった作業を行っている。またそれと同時に同プロジェクトのボランティア募集と資金集めという仕事も彼らにはある。執筆作業では、サイト内にある4つの未完成テキストがあり、数学、物理、化学、FHSSTの学習ガイドに関する文章を担当している。サイト内の全てのコンテンツはGNU Free Documentation Licenseにてライセンスされている。

Teaching Ideas
英国全土の教師による授業プランが保存されている。若手教師をターゲットにしており、ほぼ全ての科目をカバーしている。例えば、数学や、科学、地理、歴史などがある。物理クラスのプランでさえ含まれている。このサイトはCCの表示−非営利−継承 2.5ライセンスによりライセンスされ、教師達に素材の再利用やリミックスを推奨している。

大学または高等教育レベルの教師用

MIT Open Courseware
MITは、オンライン上で利用できる無料の学習過程や素材にCCをかなり早い時期に付けた組織の1つだ。1999年に始まったMIT OCWは、今では1550を超えるコースとMITにある5学部の様々な34の一般教養課程からのコンテンツを含んでいる。シラバスや講義ノート、文献リスト、ビデオ素材などのいくつかは世界中の独習者や教師、学生が利用できる。2008年までに、MIT OCWはすべての学部の素材をオンライン上で保存する事を目的としている。すべての素材は、CCの表示−非営利−継承 2.5ライセンスにてライセンスされている。

Wiki の資産とツール

Curriki
Crurikiは、「カリキュラム」と「ウィキ」の複合させた名前であり、厳密にはユーザー主導でオープン・ソースを特徴した、グローバルな教育・学習コミュニティサイトである。そのサイトは、知恵とガイドと文章を含み、その全てはコミュニティのメンバーによって作られ、教師がよりうまく教えられることに主眼を置いたものである。科目によってカテゴリー分けされ、Currikiは、3つのRのみならず、外国語や職業教育や教育技術のような多様性に富んだ科目の素材に注目している。このサイト内のすべてのコンテンツはCCの表示 2.5ライセンスでライセンスされている。

WikiTeach
WikiTeachは自らを、授業計画を共有する為の場所だと呼んでいるが、まさにそうである。ここには余計なものはなく、幼稚園から大学院レベルまでの学習計画がWikiTeachコミュニティのメンバー達によって提供・編集されている。授業はレベルと科目でカテゴリー分けされている。すべての計画がオリジナルというわけではない。そのいくつかには米国地理学の様な他のサイトに置いてある学習計画へのリンクも含まれる。CCはこのサイト内では発見できないが、その代わりに、ほぼ全てのコンテンツがコピー・レフトされている。

OER Commons
素材の自由な利用と改変が可能な教育・学習ネットワーク、OER Commomsは小・中学向け、もしくは中学以降のクラス向けの素材を持っている。このWikiでは、コンテンツのカテゴリー分けを支援するため、寄稿者達はタグや批評、要約を使っている。素材は、ビデオや音楽、数学や社会科学、人文科学など伝統的な分野に関連するコンテンツが含まれており、さらに日々刻々な変化に対応する為に、気候変動やテロリズムのような新しい問題も加えられている。オリジナルコンテンツはCCの表示−非営利−継承 2.5ライセンスでライセンスされている。

特記

AAA Labs at Stanford
AAA Labsは、理解を研究するユニットと技術が教室内の理解のプロセスをどう手助けするかという様な、学生がどうやって学習しているかについてより理解を深めたいと思う教師にとってすばらしい資源である。教育とコンピューター・サイエンス、認知科学の狭間にAAAが注目してからは、利用可能な素材が複雑な学術的文章からワークシートや評価システム、ダウンロード可能な教育エージェントにまで多岐にわたっている。

OER Grapevine
オープン・エデュケーション・コミュニティのメンバーがよく訪れてたむろしている場所がこのWikiだ。そこは、教師や行政官や開発者がアイディアを共有して、プロジェクトを議論しながら、OER資源の周辺で生まれる議論に参加できる場所なのだ。ここはウェブ上にあるOER教材へのリンクをもっとも包括的に網羅しており、何故学習プランにとって伝統的な無断複写・複製・転載を禁ずるライセンスよりもコピー・レフトが優れているのかをよく説明している。このサイトからは、UNESCOのオープン・エデュケーションに関する議論や政策文章へリンクが提供されている。ユーザーは定期的なアップデート情報と議論の場所を提供するメーリング・リストに登録する事ができる。